サーバーはネット上で様々なサービスを提供するコンピュータやシステムですが、サーバーをレンタルすることで自分で様々な情報やサービスをネット上で公開することができます。レンタルサーバーにはいくつか種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。特徴を抑えることでどんなサーバーをレンタルすれば良いのかが分かるようになります。
そこでこの記事では代表的なレンタルサーバーの特徴を解説したいと思います。
1.レンタルサーバーの代表的な種類
サーバーとはおおまかに言えばネットワーク上にあるコンピュータのことです。ネットワークを介してコンピュータとサーバーがつながって様々なサービスが提供されています。レンタルサーバーは個人でも会社でも借りることができるコンピュータシステムで、利用すればホームページやブログの公開、ECサイトの開設など様々なサービスを運営できるようになります。
ではレンタルサーバーにはどのような種類があるのか見てみましょう。
レンタルサーバーの種類1:共用サーバー
まずは共用サーバーです。名前の通り共用サーバーは1台のコンピューターを複数のユーザーで共有するタイプのサーバーです。サーバーコンピューターだけでなくOSやDB(データベース)、Webサーバーアプリケーションも1つずつ入っています。
例えていうなら共用サービスは一つの家を複数の人間で共有するシェアハウスのようなものです。インテリアや電気、水道などは基本的に同じものを使います。共用サーバーのメリットとデメリットには以下のようなものがあります。
■メリット
・費用が安い
安い業者の場合は毎月100円程度からレンタルすることができます。気軽にレンタルサーバーサービスを始めたいという人には向いています。
・すぐに使える
サーバーの管理はレンタルサーバー会社が行ってくれるので、メンテナンスの手間などはなくすぐにサービスを利用できます。
■デメリット
・自由度が少ない
サーバーの管理者にはなれないので自由にサーバー設定ができません。ルームシェアだと自由に家のリフォームができないのと同じです。
・他のユーザーの負荷の影響を受ける
ルームシェアをしている誰かがいびきのすごい人だとしたら他の住民は我慢しなければいけません。同じように共用サーバーを使っている他のユーザーが負荷の多くかかることをするとその影響を受けることがあります。
共用サーバーは費用が安く手間もかからないのでレンタルサーバー初心者に向いていますが、常に他のユーザーのことを意識しなければいけないので、ネット上のサービスを幅広く運用したい場合には不向きと言えます。
レンタルサーバーの種類2:VPS(バーチャル・プライベート・サーバー)
VPSはサーバコンピュータとOSとを共有している点では共用サーバーと同じですが、サーバーにインストールされている物理的なOS上にバーチャルサーバーを複数設置しているのが違いです。バーチャルなので物理的に存在しているわけではありませんが、複数のOSが存在しているかのような設定になっているので、ユーザーがOSとDB、アプリを占有できます。
占有できるということはユーザー各自が管理者権限を持っているということです。住宅に例えるならマンションの1室を購入するようなものです。エントランスや廊下などは共有しているので何も手を加えられませんが、自室であればある程度自由なレイアウトを施すことができます。VPSのメリット・デメリットには以下のような点があります。
■メリット
・費用が安い
後述する専用サーバーよりも低コストで運用できるのに専用サーバー並みに自由度があります。好きなアプリケーションやOSをインストールできます。
・他のユーザーの影響が比較的少ない
共用サーバーのように他のユーザーがかける負荷の影響を受けにくいです。造りがしっかりしている分譲マンションであれば、他の住民の立てる騒音がルームシェアのように他の部屋の住人に迷惑をかけにくいのと同じです。
■デメリット
・メンテナンスの手間がかかる
共用サーバーのようにすべて事業者に任せるというわけにはいかず、セキュリティやOSなどサーバーを作り上げるうえでの専門知識が必要になります。
VPSは「共用サーバーだと窮屈だけど専用サーバーは敷居が高い」と感じている人に向いています。
レンタルサーバーの種類3:専用サーバー
専用サーバーはサーバーコンピュータ、OS、DB、アプリケーションなどをすべて占有できるタイプのサーバーです。自分だけがサービスを使えるので快適なサーバー利用ができます。セキュリティやOSなどの専門的な知識が必要ですが、「とにかく自由な使い方をしたい」というユーザーには便利なサーバーです。専用サーバーのメリットとデメリットには以下のような点があります。
■メリット
・自由度が高い
サーバー資源を思うように使うことができて他のユーザーの影響を全く受けないので快適です。一軒家に住んでいるようなもので、他の人の目を気にすることがありません。プログラミング言語やミドルウェアなど必要なソフトやツールを自分の好みや都合に合わせてカスタマイズできます。
■デメリット
・専門知識が求められる
自分でサーバーを構築していく必要があるので初心者には難しいでしょう。
・費用が高い
共用サーバーと比べると費用が高くなるので、趣味程度のサーバー利用には不向きです。
ちなみに専用サーバーにはユーザーがより多くの管理者権限を持てるタイプのものと(rootあり)、事業者がアップデートなどを行ってくれるもの(rootなし)とに分けられます。
レンタルサーバーの種類4:クラウドサーバー
クラウドサーバーはVPSのようにユーザーにそれぞれバーチャルのサーバーが割り当てられますが、VPSよりもOSやDBやアプリの拡張の自由度が高いです。このタイプのサーバーのメリットとデメリットには以下のような点があります。
■メリット
・拡張性が高い
CPUやディスク領域、メモリなどの拡張も可能なので負荷が高い時に必要に応じて性能を高めることができます。
・料金体系が柔軟
費用が1日ごととか時間ごとに設定されているので「必要な時間だけ少し使いたい」というニーズにこたえることができます。
■デメリット
・VPSより費用が高い
2.まとめ
レンタルサーバーには紹介したような様々な特徴を持つタイプのものがあります。費用を重視するか、カスタマイズ性を重視するかによって最適なレンタルサーバーが変わってくるので、まずはサーバーを使う用途や資金、サーバーに関する知識がどれくらいあるかを明確にしてから好みのサーバーを選びましょう。